堂場 瞬一『壊れる心 警視庁犯罪被害者支援課』読了
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内容(「BOOK」データベースより)
私は今、刑事ではない。被害者の心に寄り添い、傷が癒えるのを助ける。正解も終わりもない仕事。だが、私だからこそしなければならない仕事―。月曜日の朝、通学児童の列に暴走車が突っこんだ。死傷者多数、残された家族たち。犯人確保もつかのま、事件は思いもかけない様相を見せ始める。
5人の死者を出した自動車事故を
被害者家族の心の傷という視点で描いいる。
ある意味斬新で、普段、車を運転する人にとっては、
ハンドルを握ることの責任の重さを痛感する。
物語は事故の被害者家族の心の傷がメイン。
こうゆう事故の場合、加害者の人権は守られ、
被害者は基本的に晒し者的な感はある。
また、被害者は、加害者が真実を語らない限り、
事故で大切な命を失った喪失感という結果と
癒されな深い傷を心に負う。
そして、加害者減刑を望むので黙秘。
被害者の心にある憎しみは爆発するのは理解できる。
ただ、憎しみは憎しみしか生まない。
罪を憎んで人を憎まずという言葉を
実践するには、被害者には真実という情報が
少ない、いや、皆無だと思う。
誰も正解を見つけられないし、
正解に導く何かもない。
非常に重く深い作品。
このシリーズ、嵌りそうです。