百田 尚樹『風の中のマリア』読了
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内容(「BOOK」データベースより)
命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。著者の新たな代表作。
あらすじを読んでいて、
ファンタジー小説かなと思った。
本編を読んでいると、
そんな甘ちょろい作品ではなかった。
オオスズメバチの生態、生涯(1ヶ月ほど)を通して、
生きることの偉大さ、
存在していることの凄さ、
生き抜くことの壮絶さが伝わってくる。
生きているから
使命がある。
そして、そのことに大きな意味がある。
生き抜くことが、過酷な虫の世界だから、
伝わってくる『生きる』という強さ。
自分が本当に強く生きているか?
自問自答したくなる。
いや、今、している。
単なるオオスズメバチの物語と
片付けられない深いものがある。