吉村 達也『ケータイ紛失!』読了
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内容(「BOOK」データベースより)
日常生活で最も恐ろしい失敗は何か?それはプライバシーが満載のケータイを失くし、危険人物に拾われること…。新宿のデパートで企画開発部にいる尚美は、ある日公園のベンチにケータイを置き忘れた。急いで取りに戻ったが、もうない…。それには不倫相手の上司と交わした赤裸々なメールや、秘密の写真が保存してあった。しかも拾ったのは、ストーカー行為で会社をクビになった借金まみれの中年男!その日から尚美には姿を見せない男がつきまといはじめる…。あなたの身にも起こりうるリアル度百%の恐怖。
この作家さんの作品を初めて読む。
読んでいて、面白くて一気に読了してしまった。
時代的にはガラ系の携帯を紛失して
そこからいろいろとトラブルへと展開していくけど、
今はスマホの時代だからだが、関係ないという話ではない。
スマホでも充分に起こる展開だし、
危険度はスマホのが大きいかも・・・。
ネット依存社会で、現実の自分、ネットの中の自分を
区別することが可能な現代社会。
本当の自分と偽りの自分
どっちが本当なのか?
知らないうちに偽りの自分が重要になっていることも。
現代社会はネットを介して
誰もが多重人格になることができる。
作品中に登場するホームレスの長老の次の言葉が深かった。
「人間の真実というのはどんな職業や環境でも、
集団の中には、立派な人間もいれば、
そうでない人間もいるということなんだ」
立派な人間とは・・・
素直に生きている人のことなのかも。