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渡辺和子「全ての存在を確かめる瞬間」


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胃の存在が否が応でも知らされるのは、

胃の調子が悪い時であり、

自分に歯があると気づくのも、

歯が痛いときでしかない。

ふだんはあっても無くても別段かまわないような、

小指の存在の大切さは、

その小指に怪我をして、

顔一つ洗うのにも不自由する時に、

はじめてわかるものなのだ。

言葉を換えていえば、

そのものを忘れていられる時は、

健康な証拠なのだ。

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出典

[愛をつかむ]

渡辺和子 著

PHP研究所より