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私の孫は195人


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豊田市の寺田匡治さん(70)には、小学校四年と五年のお孫さんがいる。
寺田さんは、その二人が通っていた市立竜神こども園へ、
自宅で育てた花をプレゼントし続けている。

卒業式には舞台の上が、菜の花でいっぱいになる。
また、こども園の畑でジャガイモ、ダイコン、ニンジン、
などを園児たちと一緒に育てている。

ある春の日のこと、トマトやキュウリの苗を植えて一休みしていたら、
男の子が近づいてきた。

「寺田さん、ここに後ろ向きに腰かけて」という。
「なんだろう?」と思いつつ、言われる通りにした。
すると肩を叩いてくれるではないか。

驚いていると「寺田さん、あまり凝ってないね」と言う。
「なんで?」と聞くと「やわらかいから」と。
きっと、この子は家でおじいさん、
おばあさんの肩を叩いているんだろうなあ、と思った。
他にも何人もの子が叩いてくれる。

こんなことも。1人の女の子に、顔を近づけてジーと見つめられた。
そして「しわが多いねー」と一言。子供は正直だなあ、と感心してしまった。

またある日のこと。給食の時間になったので
「おじさん帰るね、バイバイ」と言うと、1人の女の子に呼び止められた。
「なにか忘れ物でもしたかな」と振り返ると
「おじさん、遊んでくれてありがとう」と言われた。

「遊んでもらっているのは私の方です。
 子供たちから元気をもらっています。
 どの子も個性豊かで笑顔がいっぱい。
 私が保育料を払って毎日通いたいくらいです。
 孫が百九十五人いるようで園に行けることに感謝しています」
と寺田さんは話す。

中日新聞掲載 2016年(平成28年)2月7日(日曜日)》