湊かなえ『Nのために』読了
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内容(「BOOK」データベースより)
超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか?切なさに満ちた、著者初の純愛ミステリー。
テレビドラマ化された作品。
ドラマを見ていたので、あらすじは理解していた。
読んでみて、非常に辛く痛いと感じる。
辛い現実、思うようにならない現実。
純粋に受け止め、対処する。
誰かのために、自分のために。
そういうことが、Nのイニシャルを持つ登場人物から
見事に感じられる。
だから、全体的にリアルに重いものがあるが、
逃げず、真っ向から現実に立ち向かう姿は感動すら感じる。
辛い過去、現実も誰かのために・・・
逃げず、真っ向から受け止め、立ち向かう。
それが、想定外の最悪の事態でも。
そういう意味では、今の現実社会はネット、ソーシャルなど
逃げる場所が多いのかもしれない。
ただ、この作品を読み終わって強く思ったことがある。
ポジティブ、ネガティブ、スピリチュアルって言葉を使う事って、
現実から逃げてないか?
明らかにそれらを語った時点で逃げてると思う。