記録より記憶に残った幻の完全試合
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2010年6月、野球のメジャーリーグ・ベースボール(MLB)公式戦で起きたことです。
デトロイト・タイガース対クリーブランド・インディアンスとの一戦でした。
タイガースの先発は、アーマンド・ガララーガという投手。
9回2死まで一人の走者も許さない、
そう完全試合まであと一人というところでした。
そして、27人目の打者への投球です。
「最後の」バッターは、一塁にころがるゴロでした。
誰もが、大記録を前にスタンディング・オベーションの
準備をしているかのようでした。
ガララーガ投手は、ベースカバーに入ります。
しかし、一塁へのそのゴロは、ややクロスプレーになってしまいます。
クロスプレーだが、タイミングは”アウト”。
多くの人が「完全試合」の達成を信じました。
しかし、審判の判定は、まさかの「セーフ」。
抗議が行われましたが判定は覆らず、完全試合は消えてしまったのです。
いかがでしょうか?
写真画像をみても、明らかに”アウト”であることが分かります。
この判定を下した審判の名は、ジム・ジョイスといいます。
ジョイス塁審は、試合後のリプレーを見て、ショックを受けました。
明らかに、自分の判定は誤審だった。
何ということだ。
本来ならば、MLB史上21人目の偉業だったのだ。
自分のミスに気づいたジム・ジョイス塁審はどういう行動をとったか。
そして、アーマンド・ガララーガ投手の思いはどうであったか
ジム・ジョイス塁審は、自らの誤審を認め、
アーマンド・ガララーガ投手に謝罪をしました。
「私のキャリアで最大のミス・コールだった。
若い選手の完全試合を台無しにしてしまった」
と後日述懐しています。
ジョイス塁審の謝罪に対して、ガララーガ投手はこう答えました。
「完全(パーフェクト)な人なんていませんよ」
完全試合を逃しはしましたが、アーマンド・ガララーガ投手は
その清々しい姿勢に対し、多くのファンから絶賛の声を集めることになりました。
また、自分の過ちを認め、即時、選手に謝罪したジョイス塁審のフェアな行動も、
賞賛に値するものでした。
ちなみに、この二人は、
この試合についての共同著作者となり1冊の本を出版しました。