大沢 在昌『絆回廊: 新宿鮫10』読了
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内容(「BOOK」データベースより)
「警官を殺す」と息巻く大男の消息を鮫島が追うと、ある犯罪集団の存在が浮かび上がる。中国残留孤児二世らで組織される「金石」は、日本人と中国人、二つの顔を使い分け、その正体を明かすことなく社会に紛れ込んでいた。謎に覆われた「金石」に迫る鮫島に危機が!二十年以上の服役から帰還した大男が、新宿に「因縁」を呼び寄せ、血と硝煙の波紋を引き起こす!
このシリーズ10作目。
新宿を舞台に、孤独な刑事・鮫島が
ヤクザ、犯罪集団を追う、いつもの展開だけど・・・
まあ、様々なヤクザ、刑事等の個性的な登場人物がいて、
それぞれが心、体に傷を負っていて、
それでいて、警察組織、暴力団、犯罪組織は組織的な毒をもっていて、
それらが交じり合って、毎度のことながら飽きない展開。
今回は、深い因縁、つまり絆という表現で
命の重さ、生きることの意義を読む側に
投げつけている感じ。
このシリーズを読み続けている者にとって、
今回の結末は、衝撃でした。
そして、その結末が、鮫島にひとりではないこと、
生きることの意味、重さ、覚悟を示すことに。
このシリーズ、次はあるのかな?
雰囲気的には、ちょっと終末ぽかったけど・・・